すい臓がん患者になって気が付いたこと「すい臓がんの治療は進路指導に似ている」

 たわしはすい臓がん治療を開始して8か月が経ちました。治療を開始した当時は主治医の話がどうにも理解できず苦しみました。

 理解できなかった原因は、患者である自分の治療を受ける姿勢にありました。

 それを深く考えているとき、「すい臓がんの治療は進路指導に似ている」と気づきました。

 今回はそんなお話です。皆様の治療の参考になることを祈っています。

すい臓がんとわたし

今回の記事は「すい臓がんの治療は進路指導に似ている」ということをお話します。

「すい臓がんの治療は進路指導に似ている」

 すい臓がんは、がんの中でも発見や治療が難しいとされる病気です。

 近年、死亡者数が年間3万人を超えており、日本では肺がんに次いで2番目に多いがん死因となっています。

 すい臓がんの治療においては、主治医の治療方針の説明は、学校の先生の進路指導に似ていると言えます。

 なぜなら、すい臓がんの治療では完治が難しく、主治医もどの選択が予後を改善するかは、はっきりわからないのです。

 わたしは、すい臓がんの治療が難しいことは理解していましたが、はっきりわからないことを説明する主治医の立ち位置を理解してやっと主治医の話が理解できるようになりました。

 簡単に言えば、患者自身が最終的な治療方針を決めるという意思を主治医に伝えなければならないのです。

すい臓がんの治療について

 もしかするとわたしと同じで、主治医のいうことが理解できない人もいると思います。主治医も多くの最新情報を持っていますが、患者に話すのは以下の内容です。

 

 すい臓がんの主な治療法には、「手術」、「化学療法」、「化学放射線療法」があります。

 手術は、可能であれば行うべきですが、すべての患者に適用できるわけではありません。

 手術できるかどうかは、がんの進行度や位置、患者の体力や合併症などによって異なります。

 また、手術できる場合でも、再発を防ぐために化学療法や化学放射線療法を併用することが多くあります。

 化学療法や化学放射線療法は、手術できない場合や手術後の補助的な治療として行われます。

 しかし、これらの治療法も万能ではありません。副作用や効果の限界がありますし、患者によって反応が異なります。

 最近は、新しい薬剤や組み合わせが開発されており、効果的な場合もありますが、まだ確立されたものではありません。

患者は受け身ではだめ

 どうでしょうか?

 上記のような内容ではないでしょうか?わかったようでわからない話ですよね。

 結局、主治医もあなたにとって最適な治療がどれかは自信がないのです。

 

 そのため、主治医は患者に対して、「この治療法を選べば必ず良くなる」という断定的な答えを出すことができません。

 患者に対しては、「この治療法を選ぶとどんなメリットやデメリットがあるか」「他にどんな選択肢があるか」「どれくらいの期間や頻度で治療を受ける必要があるか」などを説明し、患者自身に判断してもらうことになります。

 これは、学校の先生が進路指導をするときと似ていませんか?

 先生は生徒に対して、「この進路を選べば必ず幸せになれる」という断定的な答えを出すことはできません。生徒に対しては、「この進路を選ぶとどんなメリットやデメリットがあるか」「他にどんな選択肢があるか」「どれくらいの努力や準備が必要か」などを説明し、生徒自身に判断してもらうことになります。

主治医との信頼関係の在り方

 すい臓がんの治療では、主治医の説明だけでなく、患者自身も積極的に知識を得ることが大切です。

 インターネットや書籍などで、すい臓がんの病態や治療法、副作用や予後などについて学ぶことで、自分に合った治療方針を選ぶことができます。

 知識を付けることで主治医と対応な会話ができるようになり、自分で調べた情報や、主治医の説明に初めて疑問が湧くことでしょう。

 この疑問をベースに主治医に疑問や不安を遠慮なく質問する姿勢が患者本人が決断する意志として主治医に伝わると思います。

 主治医もやっと受け身の患者から解放され一緒にすい臓がんと闘うチームとなり、ここから信頼関係を築くことができます。

 進路指導に悪い思い出がある人はいませんか?まいど「どうする」って聞かれるだけで放置されたと感じてる方もいるでしょう。

対等に話せ、サポートしてくれるのが主治医です。

 すい臓がんの治療が進路指導に似ているということは、決して患者を放置するという意味ではありません。

 治医は患者の最善の利益を考えて、最適な治療法を提案し、サポートします。

 しかし、最終的な決断は患者自身が行う必要があります。

患者自身の姿勢

 そのためには、主治医から多くの知識を引き出し、その知識をもとに判断する姿勢を見せることが重要です。

 主治医との信頼関係は受け身ではなく、自分が判断できるようにサポートしてほしいという姿勢、そしてその判断は自分自身、患者自身が負うという姿勢をはっきり主治医に示すことです。

 主治医に自分の人生を預けるような態度では主治医は表面上の話しだけで、親身になって説明やサポート、提案はしてくれません。

 これを進路指導の先生や生徒であった自分のことを思いだせば、合点ができることも多く、理解できるのではないでしょうか?

まとめ

 如何でしょうか、すい臓がんの治療においては、主治医の治療方針の説明は、学校の先生の進路指導と考えて以下の事をもう一度肝に銘じて治療を頑張りましょう!

  • すい臓がんの治療では完治が難しく、主治医もどの選択が予後を改善するかははっきりわからない。
  • 患者自身が最終的な治療方針を決めため勉強をしなくてはいけない
  • 主治医とは、すい臓がんを一緒に戦うチームメイトと考えよう。
  • 主治医は受け身の患者には当たり前のことしか言わない。
  • 患者自身が判断する姿勢で主治医と対等なることができ、ここから主治医との関係も良好になる